Monday, May 08, 2006

悪友、再会。 -其ノニ-

ミルク売りの少年は良いお客さんを捕まえたのだろう、毎朝ゴキゲンで定時にやって来る。
子供は慣れるのが早い、僕が日本人だから余計に若くみえ親近感がわいたのか、3回目ぐらいのモーニングコールは「ナマステ!! ブラザー」だった。
こっちもこっちで、インド人のガキにナメられるのもしゃくに触るので「ナマステ!! バッチャー(子供)」といい返す。

滞在期間中こない日が1・2度あったがその時は心配になり、なんかあったんちゃうか?? ...なんて思う始末。(笑
でも次の日に、お前は俺の客だからちゃんと来てやったぜ... みたいな顔をして現れる。
ムカつくけど、コイツがいないと朝のチャイがブラックティーになるしなぁ~... ガマン、ガマン。
どっちが上か下なのか... 持ちつ持たれつとはこういう事だと理解する。


朝そんな事をしているさなか、町の小さなバザールで買い物をしていたら、後ろから一人のインド人が声をかけてきた。

「アナタ~、ドコカラキマシタカ~??」

風貌で日本人と直ぐに分かったのか??
ここで無視をかませば一見お洒落なチベタンか、チャイニーズぐらいに思ってくれるだろうが、悔しいかな振り向いてしまったので日本人とチョンばれ。
それに、振り向いてそこに居たのは背のちっちゃい、子供がヒゲを生やした様なチンチクリンなインド人だった。
なんじゃコイツ~... と思い、無視したら次は
「ナニ、サガシテマスカ~??」
と聞いてくる。うっとおしいので愛想なしで
「べつに何も探してへん。」
と云うと、今度は
「ドコ、トマッテマスカ~??」
...と、シツモン3連発。

「そんなん聞いて、お前どないすんねん!?」
と云いそうになったが、ちょっと待てよと考えた。
今、お世話になっているビジャイさんはここいらではボス的存在... 
俺達はその人のスペシャルゲストやから、宿の名前出したらコイツはひいてどっかいくやろ... と思い。
「シッダルタ」
と答えたら
「ナマエハ、ナンデスカ~??」
...? 
4回目のシツモンがとんできた。ちょっと“イラッ”ときたので
「お前の名前はなんなの??」
と少しキツく聞いたら、そのインド人はこう答えた。
「ジャパニー・クマールデス」
「...ジャパニー・クマール??」
「ハイ、ソウデス」
「自分それネタやろ?? ジャパニーって日本人かいや? もうエーって、ほんまはなんなん?? ニックネームじゃなくてさー!!」
「ニックネームジャナイデス、ホントノナマエデス」
「ハァー!!(笑) わかったわかったジャパニー、楽しかったわ、ありがとう!!」

まだ少ししゃべり足り無そうな彼を置いて、僕は宿に帰った。

早速、親父に報告をすると
「そんなヤツおったかな~??」
ぐらいの返事だった。
元来〝ニホンゴ〟で寄って来られるのが嫌いな人だから、素ムシをかまし記憶に無いのだろう。 
まぁ、ウソでもネタでも面白かったので笑えたが...

それから少ししてビジャイさんがやって来たので、さっきこんな人と会ったという話になった
「Oh, ジャパニーにアイマシタカ??」
「ジイ、バザールで会いました。ビジャイさん、彼の名前はホントにジャパニー??」 
「ハイ、ソウデス。アノヒトサンノ、ホントノナマエデス。アノヒトサン、ウマレタトキ、カオガニホンジンミタイデシタ。ホントニ、ホントニ、ニホンジンミタイデシタ。ダカラ、オカーサン、カンガエテカンガエテ、ナマエツケマシタ。」
「ジャパニーって??」
「YES, ソウデス、ジャパニーデス。コレ、ホントノナマエ。」

...!?

名前がウソとかネタじゃなくて、事実がネタやん...

「そんなんで名前決められんの?? たまらんな~... そう思えへん、兄ちゃん??」
「んっ!? へぇ~、そんなヤツおんの~??」
...あまり興味なさげな、いとこの兄貴の返答でした。


ジャパニーと出逢った、10年前の1月の話。

つづく...

3 comments:

yu said...

mohlyさん...

ナマステ、ナマステ。

文才なんて、全然ないれすよ(笑
楽しんでもらえて光栄です。

豆腐売りの爺ちゃん... シブイ!!
最近の日本は、ノスタルジックが欠けてます。
悲しいですね。

mohlyさんもオーストラリアの旅を是非ブログで!!

Anonymous said...

わはは!なんなん?そのミルクかけひき・・・(笑)
でもかわいいなぁ。写真があればもっといいのに。目のくりくりの少年を想像しながら読んでしまうよ。

私も前回ジャパニーさんってユウ君がつけた
あだ名やと思った!!ホンミョウナンヤ!

yu said...

マロンさん...

ミルクのかけ引き笑えた??
♪♪あのとき き~み~は~ 若かった~♪
ですネ。

写真ねぇ~...
この時、まだ写真デビューしてなかったんです。
してたら絶対少年は、撮ってましたね。

しかし、顔が日本人みたいだからって、名前に〝ジャパニー〟はなしでしょ??
日本でいえば...
〝山田 ペルー人〟
みたいなもんですよ。(笑

よく、いとこの兄貴が云ってました...
「おそるべし、インド人!!」ってね。(笑

まだまだ、インドの話つづきます。

久しぶりにリンク追加

Salon de Milana Grasp indriya サイドバーにリンクを追加しました。 古都、京都の四条大宮にてインド式アーユルヴェーダ・サロンを運営しております。 サロン・ド・ミラナ -Salon de Milana- オーナーのセンスあふれるアクセサリーと雑貨を、神戸...