Monday, December 26, 2005

奈良にて




土門拳と入江泰吉の写真展があったので、23日奈良まで足を運んだ。
と云うのも、いつの日からか彼女が土門拳のファンになっており、彼女の要望でお二方の写真を観に行く事となった。

今回は、大和路がテーマとなった写真展。
偉大な写真家である土門拳と入江泰吉、その二人が同じ被写体を撮っている、それを比較しながら観てみると、同じ仏像でも表情の違いがあって面白い。

入江泰吉の作品を観るのは初めて、というか有名な写真家であるという事を、この写真展で知った次第。
いや、正確に云うと、過去に何かしらの本で作品は観た事があったが、さほど気にしてはいなかった。
それは、人形浄瑠璃を撮った作品だったが、最後の方にその作品が在り、それを観た時に納得。
土門拳も人形浄瑠璃をテーマとして撮っており、勿論比較する様に展示していたのだが、それを観覧しながら、歳の近い写真家同士だからこそ、こんなに同じ物を撮ったのだろう??
と勝手な推測をしながら作品に目をやる。

どうやら、入江泰吉は画家志望だったらしく、それを断念し写真家に成ったらしい。
僕が好きな写真家に アンリ・カルティエ・ブレッソン と云う世界的に有名な作家がいるが、その御方も画家志望だったが、写真の道に入った人だった。

僕は画家志望ではなっかたが、多少成り絵には自信があったので、デザインを専攻できる学校に行ったが‥
そこで周りの奴らを観た時、自分が大いなる勘違いをしている事に気付き、そして落胆していた頃に写真に出逢う。
一時期は本気で写真家たる者を目指していたが、今は下手の横好き程度で写真を楽しんでいる。

最後の展示ブースに、土門拳の描いた油絵が飾られていて、それを観た時、自分は出逢うべくして写真に出逢ったんだと思えた。
単純に、似た共通点が有るのが嬉しく、自然に写真を選択した事に対しての感動でもある。

写真と絵は、かなり密接な関係があるのだろう。

とあるカジ屋の職人さん(僕がおやっさんと慕っている人)が、携帯のカメラで撮った雪山の写真を、何気に僕に見せてきたときがあった。
それを観て驚いた。
写真の“しゃ”の字も知らない人なのに、構図がしかっりしていたので、おやっさんに絵心があるのか??
と絶対に有り得ない疑問を思ったが、その後発覚した写真が上手い理由。
それは、おやっさんが書いた図面を見た時、なるほど!こんな事も出来るから構図がしっかりと撮れる‥ 納得だった。


写真展の後、二人で奈良の街を散歩。

美味そうなそば屋が在ったので、そこで鴨そばを頼み、鯛の押し寿司をあてに、蕎麦焼酎の蕎麦湯割り。
二人で舌鼓。

たわいも無い会話をしながら、また散歩。

お寺に行き、さっき写真で観た仏像を今度はマジマジと生で観る。
写真で観た時は大きい彫刻なんだろうと思っていたが、意外と小さい。

鹿を見ながら散歩。

同じものを見て感動したり、笑ったり、泣いたり。
たまに喧嘩したり。

アホな事云いながら散歩。

それから、映画「SAYURI」を観て、奈良で晩ご飯食べて、二人で酔払って‥
その日の夜は更けていきました。

上の写真は、彼女が好きな土門拳の作品。

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